「がんゲノム医療」本格化①

検査に保険適用 薬選択効果的に

厚生労働省は5月29日、患者からとったがん細胞を分析し、100種類以上の遺伝子の変異について一挙に調べる「パネル検査」に、6月から公的な医療保険を初めて適用することを決めた。がんに関連する遺伝子の解析結果に基づき、効果的な治療薬を選ぶ「がんゲノム医療」が本格化する。
 保険適用されたのは、日本人で変異が見つかりやすい114種類の遺伝子を調べるシスメックス(本社・神戸市)の製品と、324種類の遺伝子を調べる中外製薬(本社・東京都中央区)の製品。遺伝子変異に対応した製品が見つかる割合は検査を受けた人の1〜2割だが、今後、新薬開発が進めば治療成績の向上が期待される。