チバニアン申請手続き中断①

 地質学上の時代名の一つを「チバニアン(千葉の時代)」と命名するため、研究チームが進める国際学会へのに申請手続きが中断していることが5月26日、関係者への取材でわかった。申請に反対する研究者が、根拠となる地層周辺の土地に賃借権を設定したため、新精養軒の「研究のための自由な立ち入りの保証」が困難になったという。

 地層は千葉県市原市の渓谷沿いにある。約77万年前、地球の磁気が最後に反転した痕跡が残り「千葉セレクション」と呼ばれる。国際地質化学連合による審査を通過するには,研究者の立ち入りが可能なことなどを証明する必要がある。

 市原市も指定地域を含む民有地を買収するなど後押ししてきたが、昨年7月、申請に反対する楡井久・茨城大名誉教授が、千葉セクションを含む土地について、所有者から10年間の賃借権を取得、地層への立ち入りを拒める状況になった。楡井名誉教授は「申請の資料には捏造や改ざんがある」と主張。「不正を明らかにするために賃借権を設定した。申請の取り下げを求めていく」と話している。

 チーム代表の岡田誠・茨城大教授(古地磁気学)は「厳しい状況だが、現場への別ルートの確保など代替案を検討して申請を出したい」と話している。