印旛土木事務所に質問書

 本誌3月号に掲載した疑問符だらけの道路工事の入札結果について,3月6日,質問書を発注元である県土整備部印旛土木事務所所長宛てに,送付した。

 


入札の問題点
 この入札結果には大きな疑問点がある。建設資材のL型擁壁が県産品でないことが1点,それなのに,竹内建設(株)だけが県産品に丸を付けたことの1点。これが何を意味するのか?入札の段階で県産品でないものに丸をつけた竹内建設(株)はこの時点で失格になるのではないか。2点を獲得しないと落札できない危機感があったか?何故なら,施工計画で5点の差がついた入札の段階で,本来,開札後に公表される総合評価の点数が竹内建設(株)に落札,着工させた県土整備部印旛土木事務所とはどういう組織なのか。3月6日付で出した質問書に,期限の3月20日,回答があった。

 


 質問書と回答
質問1 発注者が提示したL型擁壁は,県内業者が製造していないことを知っていたかどうか?知らないで発注したとすれば大問題です。
回答 計算品の指定にあたっては県内において製造している製品(同等品含む)があることを確認しています。
質問2 入札した6社のうち,5社は県産品にはないとして丸を付けなかったが,落札した竹内建設(株)のみが丸を付けて2点を獲得した。県産品にないのであれば,開札の段階で失格となるのではないか。
回答 申請に基づき適切に評価しています。
質問3 竹内建設(株)は,この2点がないと落札できなかった可能性がある。2番点の(株)畔蒜工務店とは施工計画で5点の差がついていた。入札の段階で竹内建設(株)はこの事を知っていた可能性がある。事前に入札情報が洩れていた疑いがある。どうしても竹内建設(株)に落札させたかったかどうか?
回答 入札手続きについては「一般競争入札(総合評価方式)同時提出型」により適正に行っています。
質問4 発注者は既に落札業者に着工させているようだが,県産品を使えなかった場合,不誠実な行為としてペナルティーを課すつもりがあるのかどうか?
回答 千葉県総合評価方式ガイドライン等に基づき対応します。


 この回答には無理がある。入札6社のうち5社が県産品を探したが無かったために県産品の項目に丸を付けなかった。現在,①県内のどこの会社が,どんな製品を製造しているのか,再度土木事務所へ問い合わせている。②(同等品含む)の但し書きは,入札前の図には無かったと,入札参加業者は言っている。回答期限の3月25日に回答があった。

 


質問①への回答 県内において製造している製品(同等品含む)があることを県内企業のホームページやカタログ等をもって確認しています。


 複数の企業が製造しているのなら具体的な会社名などを出してもよさそうなものだが,飽くまで抽象的な印象,入札参加者の5社は,こんなことも知らなかったようだ。


質問②への回答 千葉県の発注する工事における材料の使用については,土木工事共通仕様書(第2編 材料編)の規定によります。
(第2編 材料編)「工事に使用する材料は,設計図書に品質規格を特に明示した場合を除き,本共通仕様書に示す規格に適応したもの,またはこれと同等以上の品質を有するものとする。ただし,監督職員が承諾した材料及び設計図書に明示されていない仮設材料については除くものとする」

 L型擁壁割付図(10)に添付された標準断面図とL型擁壁数量表,材料表は品質規格を明示しているのではないか?

 


 県土整備部では県産品があるとの見解で押し通そうとしているようだ。入札に参加した業者は,県産品があるかどうか,また,同じ物が製造できないかどうか,県内大手の千葉窯業などに問い合わせたが,組合を通じて作れないと回答したという。意匠登録などの盗作になるためで,この背景があって,5社は県産品に丸をつけなかったのである。回答にあるように,県産品のあることを事前に確認できていれば,以後の質問は全て無駄になる。
 続く工事で入札参加業者の施工計画を全て10点とするような考えがあるのなら「語るに落ちた」ことになる。