不自然な入札結果  

 平成31年1月23日に開札された印旛土木事務所発注の道路工事で,総合評価方式の項目に県産品という項目があり,応札した6社のうち,1社だけ丸をつけ,2点を稼いだ。問題となった点は,この建築資材の中に,県内では製造されていない資材があり,他の5社は丸を付けていなかった。この2点を除くと,落札業者が入れ替わるという厄介な問題もあり,発注者側は落札業者に工事を発注するようだが,県産品を使えない落札業者は大きなペナルティーを背負うことにならないか。


〇平成30年千葉県県土整備部
印旛土木事務所入札結果
〇入札担当部署 千葉県県土整備部 建設・不動産業課
〇開札執行日時 平成31年1月23日04:05PM
〇案件名 社会資本整備総合交付金(住宅)工事(松虫改良工)
〇工事/納入場所 印西市 松虫
〇路線河海名 主要地方道 鎌ヶ谷本埜線
〇工事又は業種 土木一式工事
〇入札方法 一般競争(方法:電子入札)総合評価(拡張版)
〇予定価格
267,343,200円(税込)
247,540,000円(税抜)
〇調査基準価格
240,608,880円(税込)
222,786,000円(税抜)
〇落札業者 竹内建設(株)
〇落札決定金額
240,624,000円(税込)
222,800,000円(税抜)

 

 

県産品扱いのL型擁壁についての問題
 この工事の中で,建築資材となる土留め擁壁について,問題点を洗い出してみよう。
〇総合評価の評価調書で企業の信頼性・社会性の地域貢献度で県産品の項目1社のみ2点
(1)問題は,工事図(全50のうち第40号)L型擁壁割付図(10)で標準断面図記載の形状仕様の製品は県内業者では製造していない。このため1社を除く5社は県内生産として記載できなかった。記載した場合は不誠実な行為とペナルティーがあるので,5社は2点か点できなかった。
(2)後日,他社からの指摘で次回工事分(社会資本整備総合交付金(住宅)及び県単道路改良(幹線)合併工事(萩原干拓改良工))では標準断面図(参考)と記載しているが,発注前に参考としていなければ入札は問題である。
(3)図面に形状図で記載されていれば仕様書と同じで,もし,同じ形状の物を県内業者で製造すれば,意匠盗作であり,強度等の計算・試験を作れるのか?
(4)落札した竹内建設(株)が,県産品を使用できず,他県の製品を使った場合,県産品の2点はどうなるのか?ペナルティーはどうなるのか?印旛土木事務所は入札参加者に説明する責任がある。

 

 

L型擁壁の問題点
 工事中の中のL型擁壁割付図で標準断面図記載の形状仕様の製品は,県内業者では生産していない。この製品は,昭和コンクリート工業株式会社(岐阜市・村瀬大一郎社長)が生産しており,千葉市に営業所はあるが,工場は福島,新潟にあって千葉県内にはない。同じ物を作って欲しいと,県内業者に頼み込んだが,盗作に当たるとして,応じる会社はなかった。問題は,印旛土木事務所がこの事を把握していたかどうか?である。知っていれば県産品項目に丸をつけた竹内建設(株)はペナルティーの対象になるのではないか。他の5社は丸を付けていないのだから,県内製品がないことを知っていたのだ。それでも,落札業者を決めてしまった県土整備部もおかしいと言わざるを得ない。