AIの活用で,市民サービスの向上を

船橋市の木村修市議会議員にインタビューを依頼し,回答があった。

〇 船橋市のよいところ,アピールポイントは?

 

 やはり船橋の住みやすやであると思います。住みたいまちランキングでも、常に上位になります。

 東京から近いということで、多くの方が都心に通勤しています。

 また、電車が8路線35駅あることも、便利さの一つになっていると思います。

 人口は、63万人を超え、中核市でもっとも人口の多い市になりました。

 海もあり緑もあり、これからも可能性のある都市だと思っています。

 

 

 

〇 市の一番の課題,そしてそれに対する木村議員の取り組みは?

 

財政状況の悪化であると思います。予算の引締めから、様々の面で市民の満足度が低下してしまうことが心配です。

 船橋市では、10月から「ふなばし健康ポイント事業」がスタートします。国民健康保険保険者努力支援制度も後押しとなり、同様の事業は全国で広がっています。

 私は、2015年当選後、最初の一般質問から「健康ポイント事業」を推進してきました。ウォーキングを始め、ふなばしシルバーリハビリ体操の参加、公園を活用した健康づくりの参加等々により、ポイントを貯めることで、船橋産品ブランドなどの景品が当たる仕組みです。

 1人でも多くの方に、「健康」を意識して頂き、日常的に取組んでいただくことで、結果的に医療費の削減につながっていく事が期待されます。

 引き続き、健康ポイント事業をベースに健康寿命延伸の取組みを進めて参ります。

 

 

 

〇 木村議員は,市役所業務のICT,AI導入に熱心だとお見受けするが,具体的にどのように活用していくつもりか。また,AIに仕事を奪われた「人」(職員)の役割はどのように変化していくのか?

 

 ICT、AIについては、その技術は日進月歩であります。私はAIを活用していくことで、仕事の効率化はもとより、市民サービスの向上につながるものと考えております。

ビッグデータを学習していくことで、職員の経験を補う回答を出してくれます。人間の頭の一部として有効に使えるでしょう。私ども会派が推進する、「窓口業務のワンストップ化の促進」をより現実化するツールになると考えます。

 これまで私が市に提案をしたこととして、AIを活用した相談窓口があります。他の自治体でも実証実験が行われ、船橋市も今年度予定されています。AIの学習が進み、回答の精度が上がれば、24時間365日いつでも相談でき、一定の回答が得られることが期待されます。しかし、現状では船橋市に限らず、どの自治体もAIに学習させるための情報を収集・整理をしている段階です。実用的なレベルになるには、まだ少し時間が必要なようです。

 また、船橋市は、障がい者雇用に力を入れており、専任の職員が日々、開拓をしてくれています。私は、今後、AIの活用で、仕事を探す障害者と企業のマッチングもより多くの選択肢を見つけられると期待しています。先日お話を聞いた精神障害者の再就職(リカバリー)を支援する専門家のお話ですが、「本来職種は多様にありますが、”これ”と限定してしまうと、選べる範囲は狭まります。これだけはできないけれど、その他はできるかもと考えれば、可能性は大きく広がる。AIを活用することで、障がいのある方それぞれの特性に合わせてできる仕事を抽出してくれるようになることが期待される。」という事でした。

 AIが人の仕事を奪うといわれていますが、確かにそのような仕事があることは否めません。定型で繰り返し作業の仕事は必要な人員は減ってくると思います。これは、銀行などの採用の人数が減っているという事を見ても明確です。しかし、一方で、少子高齢化が進み、人手不足が深刻な状況になっている状況もあります。私はICTやAIを活用することで、人手不足に対応していくことがその解決策の一つと考えます。

 また、AIにより、市民サービスにかかわるより多くの選択肢を抽出し、それを職員と市民が一緒に考える、もっと親身にかかわっていくことで、質の向上が見込めると考えます。

 現状、AIが出す答えは、大量のデータを分析した結果であり、その通りにすれば、うまくいくけれど、なぜ、そうなのか理由はわからないという事があります。出てきた結果について判断する役割と責任は大きくなっていくと思います。

 「血が通わない」などと批判する人もいますが、そんなことはないと思います。AIはあくまで道具であり、どう活用するかは人間次第です。その意味では、AIを活用する上での倫理規定も必要になってくると思います。また、使いこなしていく人材育成も必要と考えます。

 また、ICTやAIが広がっていく中で、いわゆるデジタルデバイドと呼ばれる、新しい技術を利用できない方をサポートし、その恩恵を享受できるようにしていく役割もあると思います。

 ICTやAIの技術がどこまで進んでも、人間でなければできない仕事は残っていくと思います。行政サービスは、基本申請主義です。市民が自分から、利用したいという意志を示し、手続きしなければサービスが受けられないというケースが殆どです。

 AIの普及で仕事が少なくなった分、職員は、AIの恩恵を受けられていない、サービスを必要とする市民(高齢者・障がい者・主婦など)の元に行き、相談を受けたり、サービスの説明や手続きの手伝いをしていくなど、市民と接する仕事が増えていくと期待しています。

 

 

 

〇 議員活動での今後の目標,実現したい政策は?

 私どもの会派では、1 政改と健全財政、2 災害に強い船橋へ、3 豊かな市⺠⽣活の向上、4 高齢者支援・介護施策等の充実、5 性とどもの福祉、6 のまちづくりに向けて、7 の健康を守る、8 強く魅ある船橋の経済へ、9 安心・安全な都市基盤整備、10「 学び」の環境整備 の10の分野に分けで、10人の議員が協力し合いながら、各政策を進めて参りました。

 私は、健康福祉委員会所属ということもあり、特に健康・福祉に力を入れて参りました。今後については、議員になる前から、道具として積極的に活用してきたICTや、今後期待されるAIなどの技術を積極的に取り入れ、有効活用することで、健康・福祉を始め、あらゆる分野で、市民満足度の向上につなげて参りたいと思います。